デジタルでイラストや漫画を描こうと思った時に、
レイヤーという聞きなれない言葉を聞いたことはないでしょうか
クリスタに限らずデジタルで作品を作る時には、
このレイヤーというものが大きな役割を果たすことになります
とはいえ、初めてレイヤーという言葉を聞いた、もしくは
初めてレイヤーを使うという方には、いまいちイメージがわきませんよね
今回の記事では、レイヤーというものがどういうもので、
どういうふうに使っていくのか、基本的なところをご説明していきます
最初はとっつきにくいかもしれませんが、
レイヤーはデジタルイラストの真骨頂ともいえる機能になるので、
ぜひ使いこなせるようにしていきましょう!
それでは、どうぞ!
レイヤーとは何か
アナログでは下書きからペン入れ・ベタ塗り・トーンに至るまで
すべての工程を1枚の紙の上で行っていきますが、
デジタルではレイヤーという透明なシートのようなものを使い、
それを複数枚重ねることで1つの作品を完成させていきます
例えば下記の絵は一見1枚の絵に見えますが
![猫と花のイラスト](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/03/f3df677454d9026575dc8826c2336c4b.jpg)
データでみると実は
猫・花・地面・空の4つのレイヤーから成り立っています
![レイヤー構造](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/03/678207d484ba25d7826b0a4430643ad8.jpg)
それら4枚のレイヤーを重ねて上から見た図が
このイラストになるというわけです
なぜレイヤーを使うのか
レイヤーを使う理由はいろいろありますが、一番の理由は
修正が簡単に行えることです
例えば、上記のイラストを1枚の絵に描いてしまうと、
猫だけ消したいと思った時に、修正液などで猫を消すと
当然周りに描かれている絵も一部消えてしまいます
![レイヤーなしの修正](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/03/fd526efd0fe61ff2e758978495621775.jpg)
その消えた部分をまた補っていく作業が必要になりますよね
しかし、レイヤーを分けて描いておくことで、
こういった問題を解決することができます
猫が描かれているレイヤーは猫しか書いてないので
消したとしても他の絵には全く影響することがありません
![レイヤーありの修正](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/03/03791772e0db9fb13e3e0ea59c2e2377.jpg)
このように、レイヤーを分けて描いていくことで、
非常に簡単に修正や加筆などすることができるようになります
レイヤーでできること
レイヤーを使うことで様々なことが可能になります
例えば
- 花を地面より後ろにしよう
- 猫の位置や大きさを変えたい
- 地面の色を変えたい
- 空だけ消したい
などなど、レイヤーを分けて描いていくことで
これらのいろいろな操作が手間なくできるようになります
![レイヤーでできること](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/03/89fce606274405b6e5d594ec9e1e0d39.jpg)
レイヤーパレット
レイヤーが今何枚あり、どういう状態になっているのかを確認できるのが
レイヤーパレットという部分です
初期レイアウトでは画面の右下に位置しています
ここで、今書いているイラストや漫画が、
どういったレイヤー構造になっているのか確認できます
例えば先程のイラストであれば、
猫・地面・花・空の4つのレイヤーでできていることが分かります
一番上のレイヤーがイラストの一番手前に表示され、
一番下のレイヤーがイラストの一番奥に表示されます
![レイヤーパレット](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/03/2bed4177c224c689d0abc058991940bd.jpg)
ここでいえば猫が描かれているレイヤーが一番上に来ているので
他のレイヤーに描かれた地面や花・空よりも猫が手前に表示されています
また、このレイヤーパレットでレイヤーの追加や削除、
レイヤーに名前を付けたりフォルダにまとめたりすることなどができます
レイヤープロパティパレット
レイヤープロパティパレットでは、レイヤーのさらに細かい設定をしていきます
初期レイアウトではレイヤーパレットのすぐ上に表示されています
![レイヤープロパティパレット](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/03/bd1444953e3c3a65b68439b2e5487dd0.jpg)
ここでよく使われるのは
- 書いてある内容にフチをつけたり
- ベタ塗りの部分をトーン化したり
- トーンの線数などを変更したり
- 描かれているものの色を変更したり
このような機能になります
![プロパティパレットでできること](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/03/161f1353248cffb99a53f63e3c2b193b.jpg)
漫画での使い方
それでは、漫画を作成するときはレイヤーはどう役立つのでしょうか
漫画でも考え方は一緒で、修正しやすいようにレイヤーを分けるというのが基本になります
例えば
- 下書きを描いたレイヤー
- ペン入れをしたレイヤー
- コマ枠を描くレイヤー
- ベタを塗るレイヤー
- トーンを貼るレイヤー
- 効果線を描くレイヤー
- セリフを入れるレイヤー
などのようにレイヤー分けしていきます
![漫画のレイヤー分け](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/03/ad801d116a2820393a9b60bdc9fc6c85.jpg)
また、ペン入れと一口に言ってもすべての線を1つのレイヤーに描くのではなく
重なる部分で修正が入りそうな部分、例えば
髪の毛や目など、そういった部分はさらにレイヤー分けをしてもかまいません
まとめ
いかがでしたでしょうか
レイヤーの使い方は基本的には「自分が修正しやすいように」
というのが大前提になりますので、
分け方などは人によって異なってきます
1ページに数十枚から100枚近くレイヤーを使う方もいれば
増えて煩雑になるのを嫌って、最小限で抑える方もいるかと思います
実際にイラストや漫画を描いていくと
ここは分けておいた方がよかったな~・・・
など出てくると思いますので
ぜひいろいろと試して、
ご自身が使いやすい分け方を見つけてみてくださいね!