人物の目というのは、印象を決めるのにとても重要です
キラキラした目、うるんだ瞳、鋭い眼光・・・
感情豊かな目の表現は、そのシーンを演出するのには
欠かせないものですよね
今回の記事では、そういった目の表現の1つとして、
グラデーションツールを使った「狂気」をかもしだす
目の書き方をご紹介します
ぜひ楽しみながらグラデーションツールの使い方の
参考にしてみてくださいね
それでは、どうぞ!
線画を用意
まずはベースとなる線画を描いていきます
下書きを描く
線画を描く前に、下書きを描きます
下書き用のラスターレイヤーを用意し、
完成したらレイヤーカラーをオンにして線を青くします
また、不透明度のスライダーを動かして
レイヤーの濃度を下げておきます
これでないといけないという数値はないので、
ご自身がペン入れの際に描きやすい濃度になればOKです
![下書き](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/486023bfeeec066b44deabcc596f4955.png)
レイヤー分けした線画
次にペン入れをしていきます
修正しやすいようにここではベクターレイヤーを使います
線画は好きなペンとサイズで描いてOKです
のちのちの作業、主に選択範囲の作成をする際に
作業がしやすいようにレイヤー分けをしていきます
今回は
- メインの線画(顔や体のライン)
- 目の線画
- 髪の線画
- 細部の線画
の4つのレイヤー分けしていきます
![レイヤー分け](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/6a414fa775c14a65c6777dae8f462fde.png)
このあたりの分け方は好みですが、
通常私はメインの線画と目の線画は分けないのですが
次の作業がしたかったので今回はレイヤー分けしています
ホワイトで塗りつぶすレイヤー
目のレイヤー分けをした理由は、
髪と目が重なっている部分に透明感を出したかったからです
![目の透明感](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/c0fecc5574a63922700821e29b4fb6f6.png)
透明感を出すために、
その部分をホワイトで塗りつぶしたレイヤーを作成し
髪の毛のレイヤーとメインの線画の間に入れ
ホワイトの濃度を下げています
緑の部分がホワイトを塗っている範囲です
![ホワイトの領域](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/6390a315cc4983f67dee4b44cf84bed9.png)
なぜレイヤー分けが必要かというと、
重なる髪の毛の部分を選択する際に、目の線画がジャマになるからです
![選択範囲が作りづらい](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/2added06edc0764b65af8a83440d0eb2.png)
目の線画を非表示にしたいと思った時に
もし目の線画とその他の線画が同じレイヤーであれば
髪の毛の線画しか残らなくなり、
髪の毛だけの選択範囲が作りづらくなります
![髪しか残らない](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/bbdb344e3fcde0a9152ddbff2be32b42.png)
上記の理由から目を別レイヤーにして非表示にすることで
髪の毛と顔・体のラインのみが表示され
髪の毛の範囲を選択するのが簡単になります
![髪と顔のライン](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/e1ce70a82eb58cb96547e9d498660d26.png)
グラデーション作成
続いてぐるぐるとしたグラデーションを作成していきます
目の範囲を選択
まずはグラデーションを作成したい範囲を選択します
ここでは、目の中を選択します
髪の毛はじゃまなので非表示にしておきます
![髪を非表示](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/605fd06b7340835d4a81d859550ddd73.png)
目の線画のレイヤーを選んだ状態で
ツールパレットから自動選択を選び、
サブツールを他レイヤーを参照選択にします
![他レイヤーを参照選択](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/08b7d0be256bdde762e9ef3babb6569d.png)
その状態で目の中心をクリックすると、目の中を選択範囲としてくれますが
そのままだと少し選択範囲が狭く、
グラデーションが途切れてしまう恐れがあります
![選択範囲が狭い](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/1a239dd6b08bff755900fcb54b9beed0.png)
そこで、選択範囲ツールから投げなわ選択を選び
ツールプロパティから作成方法を追加選択にします
![投げ縄選択](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/9dfe9a9ebf085bb40ad2748dffafa0d3.png)
こうすることで、選択範囲をつくるごとに
現在の選択範囲に追加していくことができます
![投げ縄で追加](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/058f58ccbd253f04b66bdfc06c656c8d.png)
描画色から背景色
選択範囲ができたら、ツールパレットからグラデーションを選択します
サブツールの中に「描画色から背景色」というのがあるので
そちらを選びます
![描画色から背景色](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/634155d146b2fb038125f35b2ae79462.png)
これを使うとカラーアイコンの部分で設定している
描画色と背景色が使用されます
今回は描画色に黒、背景色に白を指定しています
![カラーアイコン](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/e25ea61a051ed6a421a856d967ad138c.png)
形状と端の処理
形状は、ぐるぐるとした形にしたいので円を選択します
![円を選択](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/56441396044ef87ed81bd01a636c532d.png)
端の処理については設定したグラデーションを繰り返すかどうかや、
繰り返すのならそのパターンを決めていく部分です
今回は反転させることなく同じパターンで繰り返したいので
「折り返し」ではなく「繰り返し」を選択します
![端の処理](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/823170f5f0af55dae3682ff92a80cbf8.png)
折り返しを選択するとグラデーションが反転されて繰り返されます
描画対象
描画対象では、「グラデーションレイヤーを作成」を選択します
![描画対象](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/e59e591fb4ef45b403527ea33e6306b0.png)
こうすることで、グラデーションを作成した後からでも
間隔や色などの編集が可能になります
ここまで設定できたら目の中心から外側までドラッグして
グラデーションを作成します
![中心からドラッグ](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/1b93b2a302003c272c4eaca4e3134c55.png)
![作成直後](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/2a898bbe2be4ba2a43ed68fe89e49cf5.png)
オブジェクトに持ち替えてグラデーションの幅など調節します
![オブジェクトで調節](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/5a98c95e096726a171d7b1e1412688d2.png)
反対側の目も同様にグラデーションを作成します
最後に非表示になっているレイヤーを表示し、完成です!
![完成](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/05/fce29c9a60e52cd3d63c6b51a122aa68.png)
まとめ
いかがでしたでしょうか
難しそうな目の表現も、グラデーションツールを使うことで
簡単に描画できるようになります
ポイントは、選択範囲を作りやすくすることと
グラデーションレイヤーで作成することです
グラデーションには他にもいろいろなパターンがありますので
ぜひ試してみてくださいね!