モノクロ漫画を作成する場合、使える色は基本的に
白・黒・透明色のどれかという3択になります
しかし、人物の服や建物の影など、モノクロとはいえ
グレーの中間色で表現したい場合が当然ありますよね
そういった時に便利なのが、トーンというものになります
アナログでもスクリーントーンというものがあり、
原稿に貼り付けてグレーを表現しています
同様に、クリスタにもトーンの機能が備わっており、
様々な種類のトーンを無限に使用できることは
クリスタの数ある強みの一つとなっています
今回の記事では、そのトーンの基本と
貼り方・使い方について解説したいと思います
それでは、どうぞ!
トーンの基本
トーンというのは、小さな点や線・模様などが集まり
その大きさや間隔を変えることによって
様々な濃さのグレーを表現することができるというものです
![いろいろなトーン](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/1-2.png)
クリスタには多くの網点の種類がありますが、
通常は円の使用が多く、これが一番基本的なものとなります
![いろいろな網点](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/2-1-1.png)
![網点を変更](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/2-2.png)
また、トーンには線数と濃度というものがあり、
線数という網点の列の数を増やすことで
トーンの密度を高くすることができ、
濃度という網点の大きさを大きくすることで
トーンを濃くすることができます
![線数と濃度](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/3-2.png)
トーンの貼り方
では、トーンの貼り方を見ていきましょう
全体に貼る
まずは、キャンバス全体にトーンを貼る方法です
レイヤー>新規レイヤー>トーンを選択します
![メニューバーから貼る方法](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/4-2.png)
すると簡易トーン設定という画面が出てくるので、
今から貼りたいトーンをここで設定します
![簡易トーン設定](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/5-2.png)
こちらの設定はトーンを貼った後でも変更できます
線数は基本的には60を使用することが多いです
濃度は任意の数値で大丈夫ですが、
あまりにも濃すぎるとつぶれてしまうので
高くても70以下で設定するのがよいかと思います
種類はここでは基本的な円を選択しますが、
線やノイズなど網点の形状を変えたい場合は
ここで設定することができます
角度は0にしてOKを押すと、設定した内容で
キャンバス全体にトーンを貼ることができます
レイヤーパレットにはトーンレイヤーが作成されます
![トーンレイヤーが作成](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/6-2.png)
コマ外をマスクしたい(見えないようにしたい)場合は
コマフォルダ内にドラッグ&ドロップします
![フォルダにトーンを入れる](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/7-1.png)
また、メニューバーからだけでなく、
素材パレットからドラッグ&ドロップして貼る方法もあります
すべての素材>単色パターン>基本>網の順でクリックし、
下にあるデフォルトタグから任意の線数と濃度を選択し、
キャンバス上にドラッグ&ドロップします
![素材からトーンを選択](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/8-1-1.png)
![トーンをドロップ](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/8-2.png)
一部に貼る
漫画ではこちらのパターンが多いかと思います
決められた範囲にのみ貼りたい場合は、
先に選択範囲を作成し、貼る範囲を決めます
![選択範囲ツール](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/9-2.png)
選択範囲についてはこちらの記事をどうぞ
図形で選択できそうな場合は長方形や楕円、
あるいは折れ線などがおすすめです
複雑な選択範囲や、線で閉じられていない範囲の場合は
投げなわや選択ペンが使いやすいかと思います
線で閉じられている範囲を選択するには
シュリンク選択や自動選択が効率的です
自動選択についてはこちらの記事をどうぞ
また、細かい選択範囲を作成したい場合はこちらの記事をどうぞ
範囲を選択すると、選択範囲ランチャーが表示されるので
「新規トーン」を選択し、上記と同じ手順でトーンを設定します
![選択範囲ランチャー](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/10-1.png)
OKを押すと、選択した部分にのみトーンを貼ることができます
![選択範囲にトーンが貼られる](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/11-1.png)
また、一度トーンを貼るとトーンレイヤーが作成されるので
トーンレイヤーを選択した状態で塗りつぶしを使うと、
ベタを塗るようにトーンを貼ることができます
![塗りつぶしでトーンを貼る](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/12-1.png)
トーンの修正
では、トーンを貼った後から
消去・修正する方法をみていきましょう
トーンを消す
トーンを消すには、トーンレイヤーを選択した状態で
消しゴムを使います
![消しゴムでトーンを消す](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/13-1.png)
全体的に消すにはdeleteキーを押します
または、選択範囲を使用して消したい範囲を選択し
deleteキーを押すことで、選択範囲の形状で
トーンを消去することもできます
![選択範囲でトーンを消す](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/14-1.png)
ちなみに、トーンを消したものの復活したい場合は、
同じくトーンレイヤーを選択した状態で
黒に設定したペンツールや塗りつぶしツールなどで描画することで
トーンの見える範囲を増やすことができます
![ペンや塗りつぶしで追加](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/15-1.png)
トーンの追加についてはこちらの記事もどうぞ
トーンを削る
トーンの一部を削ることによって
色の濃淡やぼかしなどを表現することができます
エアブラシのトーン削りなどを選択し、
透明色に設定した状態でトーン上をドラッグすると
ふんわりとした境界でトーンを削ることができます
![エアブラシで削る](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/16-2.png)
トーンの設定を変更する
トーンを貼った後で濃度などを変更したい場合は
変更したいトーンレイヤーを選択した状態で
レイヤープロパティから線数や濃度・網点など
任意の部分を変更します
![レイヤープロパティから変更](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/17-1.png)
トーンを別のトーンに変更する
トーンを貼った後に、素材パレットから選択した
別のトーンに変更したい場合は、
変更したいトーンレイヤーを選択し、さらに
貼り変えたいトーンを素材パレットから選択した状態で
「編集対象のレイヤーを選択中の素材で貼り変えます」
というアイコンをクリックします
![トーンを貼り変える](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/18-2.png)
トーンを貼った部分を確認する
薄いトーンだとどこまで貼ってあるか、
境界がはっきり見えにくい場合があります
そういった時に、トーンを貼った領域に色を付けて
見えやすくしてくれる機能があります
表示>トーン領域表示>選択中のトーンの領域を表示
で、現在選択しているトーンレイヤーの
トーンを貼った領域が分かりやすくなります
![トーン領域を表示](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/05/19-1.png)
解除する場合は再度、
表示>トーン領域表示>選択中のトーンの領域を表示
をクリックしてチェックを外します
その他、トーンについてはこちらの記事もどうぞ
まとめ
いかがでしたでしょうか
トーンはモノクロ漫画の基本中の基本でありながら
クリスタのツールパレットにはないので、
慣れていない方にとっては、いったいどこにあるのか
すぐには分かりにくいかもしれません
しかし、トーン自体は一度使い方を覚えてしまえば
とても簡単で、どんな場面でも活躍してくれる大変便利な機能です
ぜひ使い方をマスターして、表現の幅を広げましょう!