前回の記事では、イラストを描く時の
キャンバスの作成方法についてご説明しました
イラストと違って漫画を描く時には、
コマ枠があったりページ数が複数だったりしますよね
どこにどうやってコマ枠がくるのか
どうやって設定したらいいかお悩みの方もいらっしゃるかと思います
今回の記事では、押さえておくべき点を詳しく解説しながら、
漫画用のキャンバスの作成についてご説明していきます
それでは、どうぞ!
作品の用途からコミックを選択
まずは、イラスト作成したときと同じように、新規キャンバスを作成します
そこに出てくるアイコンで漫画作成に関係してくるのはいくつかあります
![作品の用途](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/04/d7db0f162d91142e21877aaeaadd040e.png)
- WEBTOON・・・縦スクロール漫画用
- コミック・・・一番基本的な作成用
- 同人誌入稿・・・選択した印刷所に適した形式にできるもの
- すべてのコミック設定を表示・・・定型ではなく設定をカスタマイズできるもの
それぞれこのような違いがありますが
1ページの漫画を作成するにはコミックを選択すれば充分です
PROとEXでは画面が違う
上記のように新規ファイルを作成してコミックを選択した場合、
でてくるダイアログボックスがPROとEXでは異なります
なぜかというと、EXでは複数ページを管理できる機能があるので
作品を何ページにするかやページ番号などを指定する箇所があるためです
今回は1ページ漫画ということなので、
共通部分する部分についてみていきます
![PROとEXの画面の違い](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/04/5350f423334ab626eceac0808df7c34e.png)
イラストとの違い
前回作品の用途でイラストを作成したときとの違いは、
- キャンバスではなく製本仕上がりサイズになっていること
- 裁ち落とし幅があること
- 基本線数があること
などが挙げられます
作品の用途でコミックに関係するものは印刷が前提になっているので
それらに関係する設定項目が出てきます
製本仕上がりサイズ
印刷して本になる時の実際の大きさのことです
イラストではキャンバスの大きさが作品全体の大きさでしたが
コミックでは印刷所で原稿用紙のまわりをカットして製本していきます
その目印になるのがトンボというもので、そのトンボをいれるために
キャンバス自体は完成サイズより大きくなっています
自分の好みの完成サイズを選択すると、幅と高さが自動で設定されます
キャンバスサイズも自動で設定されるので、自分で設定する必要はありません
![製本サイズ](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/04/49a96ab9d3115c838188f819d96743f3.png)
裁ち落とし幅
印刷所で製本する際に周りをカットする、といいましたが
カットしたときにわずかにズレる可能性というのがあります
そのずれを考慮して、余裕をもって書いておく幅のことを裁ち落とし幅といいます
たとえば完成サイズのギリギリまでしか描いていなかった場合、
カットがずれてしまうと思わぬ余白がうまれることがあります
そういったことを防ぐため、あらかじめ少し書き足しておくようにします
![裁ち落とし幅](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/04/9a5ff5ea05e18c380ad0bb138a9b66d7.png)
WEBに載せる前提であればここは気にしなくて大丈夫です
基本表現色
印刷用の漫画では、基本的には白と黒のみ使用します
ここでは「モノクロ」というのがそれに当たります
横に出ている白黒アイコンをそれぞれオンにしておくことで
白と黒の表現ができるようになります
印刷用モノクロ漫画を描きたいときには、ここは両方オンにしておきます
![基本表現色](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/04/7f9514ab7e5a87b20551ed14da87e2de.png)
WEBに載せるためであればここはグレーを選択してもOKですが
同じ原稿を印刷する可能性もあるという時にはモノクロを選択しておくのが無難です
基本線数
モノクロ原稿でグレーの表現をする際に、トーンというものを使います
このトーンの設定に関するものが基本線数になります
ここで設定した線数がトーンを貼る際のベースになりますが、
貼った後から変更もできますし、初期設定の60というのはよく使われる設定なので
このままにしておいても特に問題ありません
![基本線数](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/04/c856d02f5e4ef3415626421b64b30fe0.png)
キャンバス上のガイド
それでは、設定が済んでOKを押した後の画面を見てみましょう
イラストと同じように新規キャンバスが作成されていますが、
そにはいろいろと線や枠が引いてありますので
まずはそれぞれの意味を確認していきます
キャンバス
一番大きな外枠、画面上の白い部分がキャンバスになります
この大きさで印刷所に提出するとトンボの部分でカットされます
トンボを入れる必要があるために完成サイズよりも大きくなっています
トンボ
この目印の延長線上で印刷所がカットし、完成サイズにします
![トンボ](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/04/004e2ee69111afebab86c34773f1fe4f.png)
仕上がり線
ここが仕上がりサイズになります
製本仕上がりサイズで選んだ時の用紙の大きさになります
![仕上がり線](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/04/6ae4a60d03e1b1303ab3776a3425e99a.png)
基本枠
右で閉じようが左で閉じようが見えやすい範囲がこの枠内です
大事なセリフや描画内容はこの枠内に収まるように描いていきます
![基本枠](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/04/0301403fe543ae75fbbc91a476900dc1.png)
タチキリ
漫画は基本的には基本枠の中にコマ枠が作成され、
人物や背景などはその範囲内での描写になりますが、
例えば勢いを表現したい・目立たせたいなどの意図から
基本枠をはみ出して描写する場合があります
そういった場合に
完成サイズの紙の端まで描かれていることをタチキリといいます
その際には、裁断の際に塗り残しが出ないように
裁ち落とし幅まできちんと書くことが必要となります
![タチキリ](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2023/04/7c2b55726da9e847a7faaa772f22fa2a.png)
まとめ
いかがでしたでしょうか
初めて漫画用のキャンバスを作成した際には
いろいろな線や枠があって混乱してしまいますよね
正しい用紙設定をして、必要な部分まできちんと書くことは
きれいな原稿を書くための最初の一歩になります
ぜひ、それぞれの線が持つ意味をきちんと押さえて
自分に合った漫画のキャンバスを作成してみてくださいね!