クリスタにはたくさんのトーンが用意されており、
作品の内容に合わせて好みのものを使用したり
何度でも簡単に貼り変えたりすることができます
とても便利で漫画を描くには必須の機能ですが、
トーンに関して初心者の方が悩みやすいことの1つに
「ペンで描くようにトーンを貼る方法が分からない」
というものがあります
ベタ塗りや選択範囲内にトーンを貼ることはできても
もっと細かい部分を思い通りに塗りたいのに
どうすればいいか分からない、ということですね
今回の記事では、そんな時に便利な
ペンで「塗るように」トーンを貼る方法をご紹介します
また、あわせてどこにトーンを塗っているか見えにくい、
というお悩みについても解決していきます!
それでは、どうぞ!
トーンレイヤーとマスク
トーンを描くように貼る方法を説明する前に、
まずは今回の機能と切っても切れない関係である
トーンレイヤーとマスクについて解説したいと思います
まず、トーンを貼る方法はいろいろありますが、
キャンバス全体に貼る方法として
レイヤー>新規レイヤー>トーンから貼る方法があります
![新規レイヤーからトーン](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/03/1-1.png)
ここでは線数60・濃度20のトーンを貼っていきます
![トーンの種類](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/03/2-1.png)
すると、キャンバス全体にトーンがベタ塗りで貼られ、
レイヤーパレットにはトーンレイヤーが作成されていますね
![トーンレイヤー](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/03/3-1.png)
トーンを消したり削ったりするときには
このトーンレイヤーを選択した状態で操作しますが、
試しに消しゴムでトーンを消してみましょう
![消しゴムでトーンを消す](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/03/4-1.png)
消しゴムでトーンを消してレイヤーパレットを確認すると、
トーンレイヤーになにやら白い四角のアイコンがあり、
消しゴムを使用した範囲が黒くなっていますことが分かります
![白いアイコン](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/03/5-1.png)
このアイコンこそ「レイヤーマスク」というもので、
レイヤーに描かれているものの一部を非表示にしたり
再度表示したりすることができる機能で、
トーンレイヤーを作成すると自動的にこのマスクが作成されます
レイヤーマスクの白い部分は「見える」部分、
黒い部分は「見えない」部分です
最初にトーンを貼り付けた時はここが真っ白、
つまり「何も隠してない=貼ったトーンが全部見える」
という意味になります
![トーンが全部見える](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/03/6-1.png)
消しゴムを使うとその部分にマスクがかかることで見えなくなり、
レイヤーマスクでも同じ部分が黒くなっている、ということです
勘のいい方は疑問に思われたと思うのですが、
「消しゴムで消したのに消えてない?」
「消しゴムで消えるのとマスクで隠すのは違う?」
という疑問が出てきますよね
結論を先に言うと、その通りです!
マスクを使ってないレイヤーで消しゴムを使うと
描かれたものは完全に消えてしまいますが、
マスクを使う方法では、消したように見えても
実は見えなくなっているだけなので、
また見えるようにすることが可能です
回り道になりますが、これが前提になりますので
しっかり押さえておきましょう!
トーンを塗るように貼る手順
では、実際にトーンを貼る手順を見ていきましょう
先程と同じように、新規トーンレイヤーを作成します
トーンレイヤーを選択した状態で
deleteキーを押し、貼ったトーンをすべて消去します
![トーンを消去](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/03/7-2.png)
ここでレイヤーパレットを確認すると、
トーンレイヤーのレイヤーマスクは真っ黒になっていますね
![マスクが黒に](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/03/8-1.png)
つまり、貼ったトーンすべてがマスクされ、
「見えない」状態になってるということです
では、次にペンツールに持ち替え、
カラーアイコンから黒を選択します
![ペンを選択](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/03/9.png)
その状態でキャンバス上に何か描画すると、
黒のペンではなく、「塗るように」「ペンで描くように」
トーンを貼ることができます
![トーンで描ける](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/03/10-1.png)
トーンレイヤーのマスクを確認すると、
ペンで描いた部分のマスクが白くなっており
その範囲にあるトーンが再度見えるようになったことが分かります
![マスクの白い部分は見える](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/03/11.png)
さらに、ペンのまま透明色を選択すると
ペンのタッチのままでマスクの範囲を変え、
見えない部分を増やすことも可能です
![透明色で消す](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/03/11-2-1.png)
トーンを貼った場所を確認する方法
トーンを描くように貼る場面として、
薄い影などを描く場合が多いかと思います
そういった時はトーン自体が薄く見えにくいので
どこにトーンを貼ったかはっきりと分からないことがありますよね
![トーンが薄い](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/03/12-0.png)
それを分かりやすくする方法もいろいろありますが、
ここでは3つ挙げておきます
1つ目は、レイヤープロパティからトーンの濃度を上げる方法です
トーン自体が濃くなるので、見つけやすくなります
![濃度を上げる](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/03/12-1.png)
2つ目は、表示>トーン領域を表示を選択する方法です
これが一番有名な方法かもしれません
![トーン領域を表示](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/03/13-1.png)
3つ目は、レイヤーカラーを使う方法です
レイヤープロパティ>効果からレイヤーカラーをクリックします
カラーは任意で設定できます
![レイヤーカラー](https://clipstudio-comic.com/wp-content/uploads/2024/03/14-1.png)
いずれの方法にしても、一時的なものなので
元に戻すのを忘れないようにしておきましょう!
まとめ
いかがでしたでしょうか
トーンを思い通りに貼るというのは、クリスタで漫画を描く上で
まさに「かゆいところ」ではないでしょうか
慣れてきたら、透明色で髪の艶を描いたり、
カケアミでトーンを削って感情表現するなど
多くのパターンが可能になるので
ぜひ使い方をマスターしてみてくださいね!